オーガニックビレッジとは

オーガニックビレッジとは、農林水産省がモデル地区として掲げる、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者や事業者、地域住民を巻き込んだ取組を進める市町村のことです。
オーガニックビレッジとして宣言した市町村は、全国で131市町村(2024年12月末日現在)。国では、2030年までに200のオーガニックビレッジ創出を目指しています。

丹波篠山の農業の特徴

伝統的な技術
300年の歴史を有する丹波篠山の黒大豆栽培。丹波篠山の生活習慣、行事など古くからの地域のつながりが黒大豆栽培に活かされ、丹波篠山ブランドとして、現在に引継がれています。この黒大豆栽培は、令和3年2月に日本農業遺産に認定されました。
自然環境や生きものへの配慮
加古川、武庫川、由良川の源流に位置する丹波篠山。
下流域の人々、田んぼやため池、水路などに棲む生き物に配慮し、次世代へ持続可能な農業・農村、日本の原風景を継承します。
助け合い・協働の精神
古くから用水不足が課題の丹波篠山。この地域では、集落で話合い、水稲を作らない「犠牲田」を設け、そこで黒大豆栽培が始まりました。
こうした助け合い・協働の精神は、集落営農など地域の農村環境維持活動で今も引継がれています。
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丹波篠山市
オーガニックビレッジ宣言

市内の認定農業者や小規模農業者などの多様な農業者で「丹波篠山ワクワク農都づくり協議会」をつくり、それぞれが自然環境や生きものに配慮した農業を進めることを有機農業実施計画に盛り込み、2023年4月27日、丹波篠山市はオーガニックビレッジを宣言しました。

オーガニックビレッジ丹波篠山が目指す姿

市内各地で自然や生き物に配慮した農業が実践されている
多様な農家がそれぞれの農業を実践している
黒大豆の有機栽培技術が確立されている
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オーガニックビレッジ
事業の取り組み

水田除草機を使った水稲有機栽培実証

土谷 学さん (殿町)
「あめんぼ号」を使った除草の実証、自動で稲の草丈や茎数、葉色を測定するスマート機器を使った有機栽培の生育調査に取り組みました。
実証の2年間で、機械操作が上達し、安定して収量をあげることができました。
代表 田渕 真也さん 株式会社丹波たぶち農場(口阪本)
ガスが発生しやすい粘土質の土壌で、アイガモロボを使った実証に取り組みました。
実証2年目は、苗の成長に合わせてアイガモロボを動かす時間や頻度を調整し、収量を増加させることができました。
代表 原 智宏さん 株式会社アグリヘルシーファーム(味間奥)
「WEEDMAN(ウィードマン)」を使った除草実証に取り組みました。
実証した2年間では、安定した収量がとれ、今後さらに有機栽培面積の拡大と有機JAS取得を目指します。

黒大豆黒枝豆有機栽培実証

澤村 寛文さん 丹波篠山伝田農産(後川上)
黒色、白色のビニールマルチや、緑肥を使った栽培に取り組みました。
新たにアイガモ農法によるお米の有機栽培にも挑戦しています。
小前 芳彦さん (味間南)
篠山自然派代表。有機農業歴は50年以上、有機JASの検査員も務めています。
土づくりと水管理に力を入れています。地域の多様な農業者との協調を大切しています。
代表 湊 友加さん 農事組合法人なちゅらるはーもにー(垣屋)
市のオーガニックビレッジ宣言を機に、黒大豆の有機栽培に挑戦。市内有機農業者の栽培指導を受け、慣行栽培のほ場を、有機栽培のほ場へ転換する実証に取り組みました。実証2年目は、カメムシ被害を抑え、一定の収量が得られました。
中末 智己さん 中末農園(大山上)
有機農業歴は20年以上。ミネラル、堆肥、緑肥を使った栽培を実践。新たに有機農業に取り組む農業者へのアドバイスや、土づくりの勉強会を開催するなど、有機農業者を増やす取組みに力を入れています。
吉良 佳晃さん 丹波篠山吉良農園(不来坂)
緑肥を使った栽培や、有機肥料の効果比較などを行いました。実証1年目で一定の収量が得られました。得られた情報や栽培事例を紹介し、有機農業者の仲間づくりを進めます。

有機農業・有機農産物の普及啓発

学校給食への有機野菜の提供、食育授業など
学校給食に、有機野菜も使用しています。市内小学校では、有機農業者による食育授業を実施しています。
勉強会・座談会の開催
有機農法に関する勉強会を開催しています。
また、有機農業や有機農産物に興味がある方を対象に、市内の有機農業者とお話ができる座談会も開催しています。
オーガニックテーブルマーケット
丹波篠山市飲食業組合が、市内で生産された有機農産物を使った、お弁当やスイーツの販売、お料理ワークショップなど気軽に楽しめるイベントを開催しました(2024年11月30日)
マルシェや映画上映会の開催
篠山自然派が市内でマルシェや直売会を開催しています。

ロゴとキャッチコピーについて

キャッチフレーズとロゴはどうやって決まったの?

オーガニックという言葉を丹波篠山でイメージした時、分水嶺、次世代に残したい農業の都(農都)、集落で行う農業スタイル、生態系の循環のキーワードが出たんだ。

確かに、丹波篠山は武庫川、由良川、加古川の分水嶺だもんね。人間にも生き物にも必要不可欠な水を綺麗に保つことは上流地域の責任でもあるよね。

キャッチフレーズの「水と創る農都ものがたり」は、水が作物・大地・人を創り上げ、農業の都(農都)として、過去と現在と未来のものがたりを紡いでいこうという想いがこもっているよ。

ものがたりという言葉は、生産と消費、山と海の繋がりの意味も含まれていそうだね。ロゴからもその想いが感じられるね。

オーガニックのOを連想する円の中に、生態系の循環と農都を表現しているんだよ。
分水嶺として自然環境に配慮する心(ハート)をあらわす葉から滴りやがて川になり、盆地を蛇行する川は、水を使う者の下流への責任感と伝統を次世代へとつなぐ流れ(ものがたり)を表しているよ。

とっても想いがこもった、このキャッチフレーズとロゴを大切に使っていきたいね。